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学童と児童館の違いとは?それぞれの特徴を解説!

学童
専門性
「学童保育所(放課後児童クラブ)」と「児童館」は、こどもたちが放課後の時間に安心して過ごせる場所として広く知られています。
どちらも「こどもが過ごしている場所」というイメージから、「一緒じゃないの?」「どんな違いがあるの?」と感じる方もいるかもしれません。
本コラムでは、学童保育所と児童館それぞれの運営目的や方法、対象年齢、活動内容などの違いと特徴をじっくり解説していきます。

1. 「学童保育所(放課後児童クラブ)」とは?
学童保育所は、主に勤労や病気などの理由によって、昼間〜夕方の時間に保護者の適切な保護が受けられない家庭のこどもたちを対象に、安全・安心な居場所を提供することを目的とした施設です。
学校が終わった放課後の時間帯や長期休暇期間に利用する場合がほとんどで、施設によっては「放課後児童クラブ」とも呼ばれています。
自治体が設置・運営をしている「公設公営学童保育所」、自治体が設置し民間企業や団体に運営を委託している「公設民営学童保育所」、民間企業や団体が設置・運営をしている「民設民営学童保育所(民間学童)」があります。
● 対象年齢
小学校1年生から3年生までの児童を対象としていることが多いですが、こどもの人数や施設状況、保護者のニーズに応じて、4年生以上の児童を受け入れている学童もあります。
● 利用条件
学童保育所は基本的に「昼間〜夕方の時間帯に保護者が保育できない事情があること」が前提で、利用には就労証明書や勤務証明書の提出が求められる場合が多くあります。ただし民設民営の学童では、比較的柔軟な運用がなされており、証明書が不要な場合もあります。
● 利用時間
平日は放課後から夕方(18時または19時頃)まで、長期休暇中(夏休み・冬休み・春休みなど)は朝8時頃から夕方までの時間帯で開所していることが一般的です。
● 活動内容
学童では、宿題の時間、自由遊び、集団遊び、工作、誕生日会や季節の行事など、生活のリズムを整えながら、社会性やコミュニケーション能力を育むプログラムが用意されています。こどもたちが安心して過ごせるよう、時間や活動にある程度の「秩序」があり、規律を重視する場面もあります。
● スタッフ
「放課後児童支援員」という専門資格を持った職員が配置されており、補助員とともにこどもたちの日々の生活を支援します。スタッフの存在は、利用しているこどもたちにとっても保護者にとっても大きな安心材料となっています。
2. 「児童館」とは?
児童館は、こどもたちが自由に遊び、交流し、学びながら成長できるように設計されたこどもの遊び場です。法律上は「児童福祉施設」として位置づけられており、乳幼児から高校生世代まで幅広い年齢のこどもたちを対象としています。
自治体が設置・運営をしている児童館と、自治体が設置して民間企業や団体に運営を委託している場合がほとんどで、民間企業や団体が設置・運営をしている民間児童館は非常に少ないです。その理由としては、児童館が「無料でこどもが遊べる場所」である場合が多く、民間企業や団体が運営コスト(家賃・人件費・物品)をまかなうことが難しいことが挙げられます。
● 対象年齢
0歳(保護者同伴)から18歳までのすべてのこどもたちが対象となっており、年齢層に応じた遊びやプログラムが提供されています。平日午後の時間帯は主に小学生が中心となって利用しますが、午前中は乳幼児親子のふれあいの場として活用されたり、夕方以降は中高生の居場所として開放されたりするなど、柔軟な活用がされています。
● 利用条件
児童館は基本的に誰でも自由に利用することができ、利用予約も不要なところが多いです。学校帰りにふらっと立ち寄って遊べる気軽さが魅力であり、こどもたちにとって日常的な「たまり場」のような存在になっているケースもあります。
● 利用時間
多くの児童館は平日の午後から夕方まで、また土曜日も開館しているところがあります。午前中には乳幼児向けの親子イベントを実施する館も多く、不登校児童の受け入れ先としても機能しています。
● 活動内容
児童館では、自由遊び(けん玉、ブロック、ボードゲーム、卓球など)に加え、科学クラブや手芸クラブといった定期的な活動、さらにはお祭りや地域交流イベントなども行われています。こどもたちの「やりたい!」という気持ちに応える柔軟な運営がされており、創造力や自主性を育む場として評価されています。
● スタッフ
「児童厚生員」という専門職員が常駐し、こどもたちの遊びや成長を見守ります。安全面への配慮はありつつも、基本的にはこどもたちの自由な発想を尊重し、「遊びのプロ」として子どもたちの世界を豊かに広げてくれます。
3. 学童と児童館の役割
ここまで見てきたように、学童保育所と児童館には「遊びの中で成長を見守るこどもの居場所」という共通点がありつつも、それぞれに大きな違いがあり、役割も変わってきます。
学童保育所は、保護者からお金をいただいてこどもを「預かる」施設であるため、「安心・安全」が最優先事項です。施設内ではスタッフの目が常に行き届いており、活動もある程度「時間」と「内容」が決まっていることが多く、生活のリズムを整える役割も担っています。
一方で児童館は、こどもたちが自由に遊び、交流する場であり、「自由」こそが最大の魅力です。こどもたちは自分の好きな遊びを選び、時には年齢の異なる友達と関わることで、多様な価値観に触れることができます。
もちろん安全面への配慮はありますが、あくまでも「自己責任」の範囲でこどもたちの主体性を尊重するスタンスが基本です。
どちらが良い・悪いではなく、それぞれの役割が明確であることが大切なのです。
4. 「学童保育所併設の児童館」の魅力
学童保育所は小学校敷地内や空き教室などに設置されることが多いですが、実は児童館に併設されていることもあります。
このような「学童保育所併設の児童館」は、学童保育の安心・安全な環境と、児童館の自由で多様な遊びの両方を享受することができるという大きなメリットがあります。
また、児童館のスペースでも遊べるようになることで学童保育所の狭隘環境が緩和される点や、児童館を利用しているこどもたちとの交流が自然と生まれる点も魅力です。児童館に来館した乳幼児や中高生との異年齢交流が活発化することで、様々な学びや体験が得られることが考えられますね。
「学童保育所併設の児童館」というハイブリッドな施設は、保護者にとってもこどもにとっても、非常に利便性が高く、現代の多様なニーズに応える存在として注目されています。
5. まとめ
学童保育所と児童館、それぞれに違いはありますが、「こどもたちが安心して過ごせる、学校と家以外の居場所」であるという部分では同様の機能を持っている施設です。
働く保護者が安心して預けられる「学童保育所」と、自分のやりたいことを見つけて自由にのびのびと過ごせる「児童館」。
それぞれが違う角度・違うアプローチで、こどもたちの健やかな成長を支えています。
保護者や教育関係者だけでなく、地域で暮らす大人全員がこれらの居場所のことをしっかりと理解して守っていくことが、社会に求められる大切な役割であるといえるでしょう。

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