重症心身障害児を対象とした児発・放デイとは?指導員に求められるスキルに違いはある?

重症心身障害児を対象とした児発・放デイとは?

療育

医療

専門性

児童指導員任用資格

発達支援

児発

放デイ

1.  はじめに:重症心身障害児の定義

重症心身障害児を対象とした児童発達支援・放課後等デイサービスは、重度の知的障害と肢体不自由を併せ持つ児童の成長と安心を支えるために、高度な専門性が求められる支援現場です。指導員には、医療的ケアの知識と、子ども一人ひとりに寄り添う柔軟な支援力が必要となります。一般的な事業所との違いや求められる職員のスキルなどについて、本記事で解説します。

重症心身障害児とは、重度の知的障害と肢体不自由を併せ持ち、医療的ケアを必要とする場合が多い児童が該当します。他に「医療的ケア児」や「重症心身障害医療的ケア児」と混同しないことが重要ですので、下記で詳しく解説します。

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重症心身障害児とは

重症心身障害児とは、先述の通り重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複した状態の児童を指します。自力での移動や日常生活動作が困難で、医療的ケアや日常的な介助が必要な場合が多いです。法律上の定義としては大島分類がよく用いられています。

医療的ケア児とは

医療的ケア児とは、人工呼吸器の使用やたん吸引、経管栄養などの医療的処置が日常的に必要な児童のことです。重症心身障害児を含みますが、それ以外に医療的ケアが理由で支援を要する子も含まれ、施設や家庭での支援体制が重要とされています。

重症心身障害医療的ケア児

重症心身障害医療的ケア児は、重症心身障害の状態に加え、日常的に医療行為が不可欠な児童を指します。高度な医療的支援と専門スタッフの配置が求められ、生活支援と医療ケアが一体となった包括的な支援が重要です。

2. 重心型放課後等デイサービスとは?

一般的な放課後等デイとの違い(重症心身型と重症心身外の違い)

一般的な放課後等デイ(重症心身外)は発達障害や学習面の支援を主としますが、重心型は重度の知的障害と肢体不自由を併せ持つ子どもが対象です。医療的ケアや身体介助が前提となり、専門スタッフと設備が必要となる点が大きな違いとなります。

重心型事業所としての特徴

重心型事業所は、医師の指示書に基づく医療的ケアや吸引・経管栄養などへの対応、複数の職員による手厚い介助、人員配置基準の厳格さが特徴です。安全性と安心感を重視し、保護者支援や地域との連携も求められます。

職員体制や専門性の違い

重症心身型は看護師や医療職、複数の介助スタッフの配置が義務付けられ、医療的ケアや安全確保の専門性が特に重視されます。一方、重症心身外は児童指導員や保育士などで基本的な支援が担われ、職員体制や専門性の面でも求められる基準に違いがあります。

事業運営における留意点

重症心身型では、医療的ケア体制や設備基準、人員配置の確保が重要となり、行政認定も必要です。重症心身外は幅広い障害児の受け入れが可能ですが、個々の発達や支援ニーズに合わせた運営が求められます。それぞれの事業特性に応じて、法令遵守と安全管理を徹底する必要があります。

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3. 重症心身型と重症心身外、仕事や待遇の違い

指導員・スタッフに求められるスキル差

重症心身型では医療ケアや身体介助の知識と実務経験、専門職資格が求められます。重症心身外は発達支援や集団活動の指導力、コミュニケーション力を重視し、医療的スキルは必須ではありません。

仕事の難易度と労働環境の違い

重症心身型は介助や医療対応を要する場面が多く、肉体的・精神的負担が大きいです。一方、重症心身外は日常生活や学習サポートが中心となり、広範囲な対応力や柔軟さが求められるものの、専門的な医療負担は少なくなります。

報酬・待遇面での傾向

重症心身型は専門性や責任が高いため待遇や報酬が比較的優遇される傾向があります。ただし業界全体は人手不足感が強く、勤務体制や休暇面では事業所ごとの差が生まれやすいのが特徴です。

4. 重心型放課後等デイサービスで必要とされる職種・人員配置基準

重心型は医療的ケアと身体介助が必須なため、看護師や複数の介護スタッフを含む手厚い人員配置が求められます。法的に定められた基準を満たし、安全かつ質の高いサービス提供が可能な体制が必須です。

一般の放課後等デイサービスとは異なり、重心型放課後等デイサービスには児童発達支援管理責任者や児童指導員・保育士の常勤要件はありません。

以下でそれぞれの解説をします。

児童指導員・保育士

児童指導員や保育士は、療育における基本的な指導や生活支援を担当します。重症心身障害児にも対応できるよう、障害特性の理解や安全管理能力が重要となります。重心型では常勤要件はなくとも、専門的な支援力が求められます。

看護師・医療職

看護師は医療的ケアや健康管理を主に担い、痰の吸引や経管栄養などの医療行為を実施します。重心型では看護職員の配置が必須であり、医療的専門知識と迅速な対応力が不可欠です。

児童発達支援管理責任者(児発管)

児発管はサービス計画の作成、指導員の統括、保護者との連絡調整を担当します。重心型でも必須職種ですが一般型と異なり常勤要件はなく、他職種兼務が可能です。専門的な知識とマネジメント能力が必要です。

サポートスタッフ(送迎・介助等)

送迎や身体介助を担うスタッフは、利用児童の安全確保や日常生活支援を行います。特に重症心身障害児の移動支援では専門知識が求められ、安心・安全な送迎体制の構築が重要となります。

5. 重心型事業所に求められるサービス

医療的ケア・生活支援

重心型事業所は、たんの吸引や経管栄養など医療的ケアを必要とする子どもに対し、下記のような安全で適切な医療的支援と日常生活の介助を提供します。

呼吸:吸引、吸入、酸素吸入、人工呼吸器など

食事: 経鼻経管栄養、胃ろう、腸ろう、摂食嚥下訓練、食事の介助など

薬:服薬の介助、軟膏の塗布など

生活支援:排泄ケア、入浴介助、清拭、更衣、機能訓練など

いずれも安心して過ごせる環境づくりと体調管理が重要です。

発達支援・交流活動

発達支援では、個々の障害特性に合ったリハビリや意思疎通の促進を行います。また、交流活動を通じて社会性や情緒の発達を支援し、他の子どもたちとの触れ合いや集団経験の機会を創出します。

保護者への伴走支援

保護者には子育ての相談や精神的サポート、情報提供が重要となります。定期的な面談や連絡調整を通じて、安心して療育に参加できる環境を作り、家族支援も事業所の大切な役割です。

6. 重心型放課後等デイサービスの制度・報酬

基本報酬の区分

重心型放課後等デイサービスの基本報酬は、利用定員に応じて単価が変動します。定員が少ないほど1人当たりの報酬は高く、定員5名の場合は授業終了後1,756単位、休業日は2,038単位と一般型の約3倍の報酬設定です。

少ない定員でも十分運営していくことができるような設定がされています。

設備基準

重心型事業所は医療的ケアに対応できる設備を備える必要があります。吸引器や緊急時対応装置、清潔な介護スペースなど、安全管理と感染症対策を強化した設備基準が設置されています。

また、大型車椅子での移動もスムーズにできるよう、廊下や出入口の幅を広めに確保したり、生活導線を意識しておくとよいでしょう。

取得できる加算の概要

重心型放課後等デイサービスでは、医療的ケア加算や個別支援加算など複数の加算が取得可能です。これらは専門的ケアや手厚い支援を評価し、事業所の運営資金や職員待遇改善にも繋がります。

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7. 重心放課後デイで働く魅力と課題

現場での大変さ(身体介助・医療ケア・人員確保)

重心放課後デイの現場では、身体介助や医療的ケアが日常的に求められ、体力的負担が非常に大きいです。さらに医療資格を持つスタッフの確保が難しく、人員不足によるシフト調整の困難や休暇取得の難しさも課題です。精神的負担も大きく、ケアの質を維持しながら働くためのサポート体制が求められています。

やりがい(子どもの成長、保護者の安心、社会的意義)

子どもの成長を間近で感じられることは大きなやりがいです。重い障害を持つ子どもやその家族に安心と支援を届ける使命感が働く原動力となります。また、社会的に必要とされる福祉サービスとして、地域貢献や子どもたちの将来を支える意義も高く評価されています。

8. 求人情報とキャリアパス

重心型事業所で働くために必要な資格・経験

重心型事業所では、保育士や児童指導員などの資格保持者が求められます。児童発達支援管理責任者は実務経験が5年以上必要で、基礎研修や実践研修の修了も必須です。看護師など医療職も配置義務があり、専門性を持つ人材が重要です。

求人動向と将来性

療育分野全体で人手不足が続いており、重心型放課後等デイも求人が増加傾向にあります。医療的ケア対応のニーズ拡大により専門職の需要も高まっており、キャリアアップや専門スキルの習得が将来性を支えます。

9. まとめ

重症心身障害児を対象とした重心型放課後等デイサービスは、医療的ケアと専門的支援を必要とする子どもたちに特化したサービスです。一般型と異なり、厳格な人員配置や設備基準があり、医療職員の配置が義務付けられています。現場の大変さも大きい反面、子どもや保護者に安心を提供し社会的意義も高い事業形態です。

療育現場は大変な面もありますが、子どもの成長や家族支援を通じて大きなやりがいを感じられます。専門スキルを磨きながら社会貢献ができる職場であり、今後も需要が高まる分野です。当サイトの求人情報を活用し、ぜひ療育のプロフェッショナルとしての第一歩を踏み出してください。

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