【東京23区外】学童にはどんな補助金が出ている?自治体ごとの特徴を解説!

【東京23区外】学童にはどんな補助金が出ている?自治体ごとの特徴を解説!

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 近年、共働き世帯の増加や多様な働き方の広がりを背景に、民設民営の学童保育所のニーズが全国的に高まりを見せています。東京都内でも、23区以外(※)の市町村において民設民営学童保育所への注目が集まり、各自治体が多様な補助制度を整備する動きが加速しています。

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 そうした時流の中で、民間事業者による新規参入や既存施設の質向上を促すために「運営費の補助」や「設備投資支援」、「ICT化支援」など、地域の特性に応じたサポート体制が整えられつつあります。

 本コラムでは、東京都23区外の市町村における補助制度について、自治体ごとの補助内容・対象・特徴を網羅的にご紹介します。自施設の運営方針や新規開設構想と照らし合わせながら、補助制度を最大限に活用していくヒントにしてみてくださいね。

(※)23区の補助制度や民間学童保育所増加の要因、東京都の共通補助金制度については、前記事『【東京23区】学童にはどんな補助金が出ている?自治体ごとの特徴を解説!』でご確認ください。


1. 〈市町村別〉民設民営学童保育所向け補助制度一覧

 まずは、23区外の市町村がどのような補助制度を設けているのか、各自治体ごとに見て行きましょう。なお、以下の補助を申請するには要件がありますので、ご自身が補助対象となるかどうかは各自治体の窓口までお問い合わせください。また、現時点(2025年6月時点)での情報に基づいてご紹介いたしますので、各制度の詳細や最新の情報、申請方法や申請時期についても必ず自治体HPなどでご確認ください。

■ あきる野市・羽村市・稲城市・多摩市
対象:全学童保育所。
補助内容:国交付金を活用した施設整備・ICT導入・職員研修など多岐にわたる。
特徴:公設学童と同基準の支援で民設民営学童の運営をカバーするモデルです。

■ 青梅市・福生市・狛江市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:給食提供・おやつ支援、運営費の補助あり。
特徴:長期休暇中の食事支援を重視している傾向があります。

■ 清瀬市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:スタッフ研修費・施設修繕費など。
特徴:保育士資格を有するスタッフ配置なども補助加点に影響するようです。

■ 国分寺市・国立市
対象:指定管理者制度下の事業者・一部民設民営学童保育所。
補助内容:指定管理委託費により運営支援。一部、公設と同条件で民間学童も対象となる。
特徴:審査要件が厳しく、制度利用には事前相談が必須となります。

■ 小金井市
対象:民設民営学童保育所(2025年4月開所予定の2施設がモデル)。
補助内容:改修費・開設準備費(礼金・家賃含む)・備品購入補助など。
特徴:食事提供・送迎・習い事連携・延長保育など多機能型モデルに対応しています。市が定めた様々な基準を満たす必要があります。

■ 小平市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:運営費補助により、利用料は公設と同水準に調整可能。備品・家賃補助も実施。
特徴:民間参入を積極支援する姿勢が強いと考えられます。

■ 昭島市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:改修費・人件費補助・利用料調整のための支援。
特徴:公設学童保育所のない地域に対する重点支援です。

■ 東久留米市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:運営費・人件費・備品購入の補助。
特徴:小規模な民間事業者にも門戸を開いている。

■ 東村山市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:運営費・改修費・備品購入の支援あり。
特徴:公設移管に向けたサポートも実施中です。

■ 東大和市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:人件費・施設整備費・運営支援。学童保育所開設時の初期投資費用への補助あり。
特徴:民設への制度的支援が充実しており、複数年度にわたる運営支援も可能です。

■ 日野市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:家賃・人件費補助(規模別で変動)。
特徴:要件を満たせば比較的柔軟な支援を受けられるといえます。

■ 八王子市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:昼食提供体制整備への助成(学校調理室の活用含む)。
特徴:民設でありながら給食提供モデルを推進し、公設に近い運営コストを実現していて、保護者負担軽減と「食育」を両立しています。

■ 町田市
対象:民設・公設学童(自主運営型クラブ含む)。
補助内容:学童保育所運営事業補助金として、施設運営費・人件費・備品購入等を支援。育成料(月額9,000円)を基本としつつ、所得に応じた軽減措置や2人目以降の減額制度あり。
特徴:自主運営型学童にも「補助金交付要綱」が適用され、地域の事情に応じた柔軟な補助が可能です。運営主体による事業提案型支援が比較的受けやすいという側面もあります。

■ 三鷹市
対象:公設公営・民設連携型の学童保育所。
補助内容:施設改修費・運営支援・延長保育補助などを含む包括的支援。
特徴:地域ネットワークを活かした共働モデルを促進しています。

■ 瑞穂町・日の出町・檜原村・奥多摩町
対象:民設・公設問わず地域全体の学童保育所。
補助内容:移住促進策・少人数対応施設への包括支援(開設費・運営費)。
特徴:山間・島しょ部の特殊事情を反映した独自施策といえます。

■ 武蔵野市
対象:公共施設型の民設民営学童保育所。
補助内容:使用料の免除や割引に加えて、運営費の補助。
特徴:自治体所有の施設を活用する事業者に対して特に手厚い支援があります。

■ 武蔵村山市
対象:民設・公設学童保育所。
補助内容:施設整備・人件費・備品費への補助。月額育成料は約6,500円(おやつ代含む)で、公設学童と同程度の低料金。
特徴:少人数施設への対応や民設参入の支援も手厚く、特に地域に不足している時間帯(延長・早朝)に対応するクラブには優先的支援の可能性があります。

■ 西東京市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:施設改修費・ICT導入費用・事務経費等の補助制度あり。月額育成料は7,000円、間食代1,000円程度。
特徴:利用料抑制に向けた制度設計と併せて、事務負担軽減や保護者連絡の効率化を目的としたICT導入支援に積極的です。地域内でのモデルクラブ育成にも注力しています。

■ 府中市
対象:指定管理制度による事業者。
補助内容:改修・運営に関する包括委託費。
特徴:指定管理型に限定されるものの、包括的に支援を受けられます。

■ 調布市
対象:指定管理制度による事業者。
補助内容:運営費補助(委託費)。
特徴:自由参入型の民間学童に対する直接補助は現状ありません。

■ 立川市
対象:民設民営学童保育所。
補助内容:運営費・改修費の補助。さらに、児童参加型イベント・ワークショップへの補助(最大10万円/件・4/5補助)。
特徴:公共施設の活用を前提とした支援体制が整っており、地域密着型運営がしやすいです。

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2. 補助制度を活用した運営戦略のヒント

 補助制度は、単なる資金補填ではなく、戦略的な学童運営の実現を後押しする「成長投資の手段」と捉えることが重要です。以下に、補助制度を活用するメリットや運営戦略のヒントをいくつかご紹介します。

① 初期負担の削減

 物件取得や施設改修、備品購入など、学童開設時に必要な初期投資は多大であり、1000万円以上かかるとも言われています。補助金を活用すれば、これらの負担を大きく軽減でき、質の高い保育環境を整えることが可能になります。

② 利用料の抑制

 運営費補助を活用することで、民設でも公設並みの利用料設定が可能となり、利用者の金銭的な負担や利用のハードルを下げられます。価格に敏感な共働き家庭への訴求力が強まり、長期利用者の確保につながりますね。

③ ICT導入で業務効率化

 出欠管理・保護者連絡・請求業務などをICT化することで、職員の負担を軽減し、保護者との連携の質も向上します。導入費を補助する自治体では、システム整備のハードルも下がります。

④ 給食・おやつ提供モデルの実現

 調理室利用や外注給食に補助がつく地域では、食事提供付きの運営モデルが実現しやすくなります。これは保護者からのニーズが非常に高く、他施設との差別化にも有効です。

⑤ 地域連携モデルの実現

 自治体の所有施設や地域資源を活用した運営は、家賃削減や行政との関係強化に繋がります。図書館や地域団体と連携すれば、「学び」「安全」「交流」の価値を高められます。

3. 補助制度申請のポイント

 補助金を活用するためには、以下のポイントに注意しながら効率的に準備を進めましょう!

【申請時期】
 多くの自治体で毎年度4〜6月頃に集中します。早めの相談・準備が鍵となりますよ。

【 必要書類 】
• 法人登記簿謄本
• 運営計画書
• 配置図・見積書
• 保護者同意書
• 実績報告書(継続申請の場合)…など。

 これらの書類は自治体によって大きく異なる場合があります。補助申請を視野に入れた時点で自治体窓口に事前相談を行い、フォーマットなどの詳細をご確認ください。

まとめ

 東京23区外の市町村では、都・国・市の三層連携によって、民設民営の学童保育所を支援する制度が広がりつつあります。新しい学童モデルを積極的に取り入れ、補助対象として制度化する自治体も増えてきました。補助金は「穴埋め資金」ではなく、「選ばれる学童」「信頼される学童」を構築するための成長資源です。制度をうまく組み合わせ、戦略的な運営と地域との信頼関係構築に活かすことで、持続可能で魅力ある学童運営が可能となるでしょう。

 常に最新情報をキャッチアップしながら、安定した学童保育所運営の実現に向けて、補助制度を最大限に活用していきましょう!

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